このページでは凍結予防のために給湯器のリモコンの電源は入れっぱなしにする必要があるのかどうかについて記載しています。
もくじ
給湯器内部の凍結予防
給湯器に搭載されている3つの凍結予防
一定の気温を下回って凍結の恐れがある時、給湯器の内部では以下の3つの凍結予防が動作します。
- 凍結予防ヒーター(主に水が通るパイプや部品に搭載)が部品を温めます。
- ファンモータが働いて、機器内の冷たい空気を外に出します。
- 循環ポンプが働いて、ふろ配管の水が凍結するのを防ぎます。
凍結予防は外気温が一定以下になると自動的に作動するため、使用していない給湯器から音がするという場合は凍結予防が作動しているかもしれません。
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寒冷地の冬期間は浴槽内に水を入れるのが〇
外気温が一定以下になると、ふろ循環ポンプが動作します。浴槽につながっている追い炊き配管にヒーターを搭載することは難しいため、ポンプが水流を作って凍りにくくするのですが、このときに浴槽内に水が入っていないとポンプが空回りしてしまいます。
ポンプが空回りして故障するということはないものの、空回りの音は非常に大きいので音が気になってしまうかもしれません。特に「夜間に寒くなる=夜うるさい」ということを防ぐ意味でも、寒冷地の冬期間は浴槽内に水を入れておくことをおすすめします。
リモコンの電源は入れっぱなしじゃないとだめ?
給湯器内部の凍結予防は電源プラグが入っているだけで動作します(コンセントには通電している必要があります)。操作リモコンの電源を入れておく必要はありません。
貯湯式石油給湯器を使用している方は、寝る間も設定温度を1や2にして使用している方が多いようですが、夜間に燃焼するのが気になる(灯油を節約したい)という場合は、後述している「操作リモコンの電源を切った状態でお湯の蛇口を開けっ放しにする方法」がおすすめです。
給湯器を凍結させないためのアドバイス
特に寒い日は通水による凍結予防がおすすめ
大寒波の日の夜は上記のような作業を行うことがおすすめです。水は動きがあると凍りにくい性質を利用した凍結予防です。
お水は無駄にしてしまうと勿体ないので、浴槽に貯めて追い炊きして使う等してください。これでも不安な場合、あるいは数日間家にいないという場合は水抜きを行ってください。
寒い日に停電があったら水抜きを行うこと
凍結予防は給湯機本体に通電さえしていればリモコンの電源のON・OFFは関係ありませんが、停電時は凍結のリスクがあるので注意してください。この場合は水抜き作業を行わなければ、給湯器が凍結破損してしまう恐れがあります。
水抜きのやり方の一例を以下に掲載しますが、水抜き栓の位置は給湯器の種類によって異なるため、詳しくは各取扱説明書をご確認ください。
【給水側の水抜き】
- リモコンの運転スイッチを『切』にしてください。(電源プラグはまだ抜かないでください)
- ガス栓「1」を閉めてください。
- 給水元栓「4」を閉めてください。
- 給湯栓「5」をすべて(シャワーなどを含む)開けてください。
- 給水水抜き栓「6」・給湯水抜き栓「7」・「8」を開けてください。
【風呂側の水抜き】
- ガス栓「1」が閉めてあることを確認してください。
- 給水元栓「4」が閉めてあることを確認してください。
- 浴槽の水を完全に排水してください。(浴槽の排水栓を抜いてください)
- 浴槽の水がすべて排水されたことを確認してから、浴室リモコンの運転スイッチを押して(『入』にする)ください。※運転スイッチランプ(黄緑)が点灯し、表示画面が点灯します。
- 浴室リモコンのおいだきスイッチを押して(『入』にする)、浴槽の循環金具から水(お湯)が出てくることを確認してください。※2階浴槽など、浴槽が機器より高い位置にある場合は、ふろ往水抜き栓を開けてから、浴室リモコンのおいだきスイッチを押して(『入』にする)、ふろ往水抜き栓より水(お湯)が出てくることを確認してください。
- 排水が止まったら再度おいだきスイッチを押して(『切』にする)おいだき運転を中止し、もう一度おいだきスイッチを押して(『入』にする)排水運転し、約1分間そのままにしておいてください。
- 排水の確認後、運転スイッチを押して(『切』にする)ください。※排水運転のまま数分間放置すると表示画面に故障表示が点滅する場合がありますが、異常ではありません。
- ふろ往水抜き栓「2」・ふろ戻水抜き栓「3」・ポンプ水抜き栓「9」・ふろ水抜き栓「11」を開けてください。
- 中和器水抜き「10」を開けてください。
- 電源プラグを抜いてください。(分電盤の専用スイッチを『切』にしてください)
停電があったとはいえ凍結破損は使用上の故障扱いになるため、例え新品であっても保証延長に加入していても、修理をする際は修理費用が発生します。特に賃貸物件に住んでいる方は契約内容や場合によっては修理費用が請求される可能性があるため、くれぐれもご注意ください。