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エコフィールと従来型石油給湯器の違い|デメリットに注意

給湯器の交換時期を迎え、エコフィールにしようか従来型の石油給湯器にしようか迷っている人に向けた内容です。

 

エコフィールとは

エコフィールとは、従来型の石油給湯器よりも燃費効率が良くなった石油給湯器のことです。従来型は燃焼後の排ガスをそのまま捨てていましたが、エコフィールはその排ガスを再度取り込んで熱交換に利用しています。

かつては200℃ほどの熱い排ガスが出ていたのに対し、エコフィールの排ガスは約60℃です。140℃ほどの熱を再利用出来ている分、ガス消費量が抑えられていて省エネ、エコ給湯器と言えます。

 

ノーリツ - エコフィールの仕組み

 

エコフィールのメリット

燃費効率が良くなった

ノーリツ - エコフィールの年間ランニングコストの比較

これまでより灯油もCO2も約13%減らせます。

 

ノーリツの公式サイトでは、年間で約8080円お得になるという指標が出されていました。

 

節約できる機能が充実

ノーリツ - エコフィールのおまかせエコ自動機能

 

エコフィールは普通に使用しているだけでもエコの恩恵が受けられますが、さらにユーザーがお湯の使い方を見直すための機能が充実しているため、ユーザーの心持ち次第でかなりの節約効果が見込めます。

ただし給湯温度や保温温度を1℃低くしたり出湯量を制限するような機能のため、ユーザーによっては不便に感じてしまう人も少なくないと思います。節約を取るか、利便性を取るかになるでしょう。

 

エコフィールのデメリット

シチュエーションによってはそこまでお得にならない

試算データの燃料単価は、102円 ⁄ Lでの算出です。(2020年1月6日 全国平均配達価格 資源エネルギー庁発表)
ランニングコストは消費税相当額加算前の金額で算出されています。給湯1年当りの灯油料金の算出方法 給湯使用条件(4人家族想定、入水温度は通年で18℃)
ふろお湯はり:200L×(42℃-18℃)
シャワー:12L ⁄ 分×5分 ⁄ 人×4人=240L×(40℃-18℃)
洗面:6L ⁄ 分×2分 ⁄ 人×4人=48L×(40℃-18℃)
台所:8L ⁄ 分×3分 ⁄ 回×3回=72L×(37℃-18℃)
給湯熱量:12,504kcal ⁄ 日×365日 ⁄ 年4.56Gcal ⁄ 年

年間ランニングコスト(※1)の比較

 

こちらはノーリツがエコフィールと従来型石油給湯器を比較して、エコフィールの方が年間約8080円お得になるという根拠です。4人家族、入水温度が通年18℃という条件で試算されています。

さらに「燃料単価が102円/L」などの前提もあるため、かなり肯定的に見ても元々灯油の使用量が多かった家庭を想定していることが分かります。

そのため多くの家庭で似たような節約効果が見込めるかどうかは疑問です。エコフィールを採用する際は各メーカーが公表している数値ではなく、ご自身の使用環境と比較して節約効果を算出することをおすすめします。

 

エコフィールは従来型と比べて故障率が高い

具体的な数値やデータが出ているわけではありませんが、従来型よりも構造が複雑化しているため、部品の点数が増えています。部品の点数が増えているということは、それだけ壊れる可能性のある部品が多いということです。

従来型の給湯器にも壊れやすい機種と壊れにくい機種があるように、エコフィールと従来型ガス給湯器を一括りにして比較するというのは正しくないような気もしますが「エコフィールにしか搭載されていない部品が壊れた=従来型なら修理の必要がなかったのでは?」という部分も事実です。

 

中和器の交換が必要

前項と重複しますが、従来型ガス給湯器に搭載されていない代表的な部品が「中和器」です。中和器はエコ給湯器に搭載されていて、ドレン水を排出するのに必要な部品です。

関連記事中和器ってなに?|エコ給湯器に中和器が必要な理由

 

中和器は一定時間が経過すると、必ず部品交換が必要になります。定期的に交換する必要はありませんが、使用から6年~7年程度でエラー920が表示されて交換時期を迎える家庭が多く、その際には15000円~20000円ほどの交換費用が発生します。

納得したうえでエコフィールを選ぶのであれば問題ありませんが、これを知らずにエコフィールの燃費の良さだけを信じて選ぶと後々にトラブルになることがあるため、エコフィールのデメリットもしっかりと押さえたうえで検討することをおすすめします。