このページでは、冬時期は浴槽に水を貯めた方がいい理由について記載しています。
もくじ
冬時期は浴槽に水を貯めた方がいい理由
- 配管内の残り湯が凍って蓋をしやすくなってしまう
- 凍結予防が働いたときの音がうるさい
- 浴槽に水がないと追い炊き配管に空気が入ってしまう
- お湯張り機能がない給湯器の場合は「呼び水」が必要になる
配管内の残り湯が凍って蓋をしやすくなってしまう
給湯器が一定温度以下を検知すると、自動的に凍結予防動作に入ります。給湯器内部ではヒーターが動作するようになり、ヒーターが搭載されていないお風呂配管は凍結しないように循環ポンプが動作します。
浴槽に水が入っていない状態で凍結予防が働くとお風呂回路の水は循環することができず、吐き出す一方になってしまいます。このとき全ての水を吐き出すことは難しく、追い炊き配管の一部にどうしてもお湯(水)が残ってしまい、この水が凍って追い炊き配管に蓋をしてしまうので注意が必要です。
追い炊き配管内の残り湯が凍って蓋をしてしまうと、ふろ自動でお湯張りをしてもお湯張りができずにE562を表示したり、追い炊きをしてもE632を表示して動作しない可能性があります。
凍結予防が働いたときの音がうるさい
循環ポンプは空回りしたときの方が音がうるさく、浴槽内に水を入れておいた方が運転音は小さくて済むため、給湯器の音が気になるという場合は浴槽内に水を入れておくのが無難です。
ポンプが空回りしたからと言って故障につながることは考えにくいですが、気温が下がる夜間に凍結予防が働くことが多く、寝ているときのポンプの音は気になるというユーザーも少なくないので、特に理由がないなら浴槽内の循環フィルターが埋まるくらいまで水を貯めておきましょう。
浴槽に水がないと追い炊き配管に空気が入ってしまう
この凍結予防の本来の目的は「動かない水は凍りやすいため、ポンプが動いてふろ水を循環させることで凍りにくくする」というものです。この時、浴槽内にお湯(または水)が入っていない状態だと、循環できずに吐き出す一方となって追いだき配管内に空気が入ってしまいます。
お湯張り機能がある給湯器であれば、追い炊き配管内に空気が入ってもお湯張りすれば配管内の空気を抜くことが可能ですが、お湯張り機能のない給湯器だと追いだきができなくなってしまうので注意してください。
お湯張り機能がない給湯器の場合は「呼び水」が必要になる
お湯張り機能がある給湯器ならお湯張りボタンを押す事で配管内の空気を水で押し出すことができますが、お湯張り機能がない場合は自分で配管内の空気を抜かなくてはなりません。
この作業を呼び水と呼びます。お湯張り機能がない場合で、かつ呼び水も行われていない場合はE632を表示し、追い炊き運転ができなくなってしまう可能性が高いです。
追い炊き配管を凍結させてしまった場合の対策
追い炊き配管が凍結した際の症状
- ふろ自動ボタンを押してもお湯張りされずにE562
- 浴槽にお湯(または水)を落とし込んで追い炊きボタンを押してもE643
上記のような症状が見られる場合で、外が氷点下ほどの気温の場合は追い炊き配管が凍結している可能性が高いです。特に浴槽内を空っぽにしていたという場合は、ほぼ間違いなく追い炊き配管の一部が凍結していると考えていいでしょう。
浴室または浴槽を温めるのが一番有効
追い炊き配管のほとんどは床下に施工されていて、直接温めるということができません。浴室乾燥機があるならそれを動かして、浴室全体の室温を上げてやるのが効果的です。
浴室乾燥機がないなら脱衣所にストーブを持ってきて浴室の気温を上げるでもいいですし、浴槽に熱めのお湯を落とし込むのもおすすめです。
呼び水のやり方
石油給湯器の標準タイプを使用している場合は、お湯張り機能がないため呼び水をしなければ追い炊き動作ができないことがあります。
呼び水の具体的なやり方は「循環アダプターのフィルターを外し、吹き出し口にシャワーホースを押し付けて水を流す」といいです。浴槽内に水を張った状態で行うとボコボコと空気が抜けていく様子を確認できますし、音がやんだら作業を停止しても問題ないため分かりやすいです。
シャワーヘッドが硬くて外せないとかシャワーホースが短くて循環アダプターの位置まで届かないという場合は、給湯器本体の水抜き栓から水を送る方法もあります。具体的なやり方については取扱説明書に記載があるはずなので、詳しくはそちらをご覧ください。
循環アダプターは種類にもよりますが、大半はフィルターを取り外した先の樹脂製部品のビスまで外す必要はありません。ビスを外すと浴槽の排水口にビスを落としてしまう恐れがあるので注意してください。