このページでは給湯器の水抜きのやり方・給湯器を水抜きする方法について記載しています。
もくじ
給湯器の水抜きの必要性
給湯器内の水通路部は水で満たされていますが、水は凍ることで膨張します。その膨張した水(氷)によって、給湯器内の水通路部のパイプや部品などが破損してしまいます。
これを防ぐには凍らない温度に保つか水を抜くかです。給湯器には凍結予防ヒーターが搭載されているため、通電している限りは滅多に凍りません。しかしヒーターの能力を超えるような寒波には効果がありませんし、そもそも通電していなければ機能しないのが弱点です。
一方で水抜きさえすれば凍って膨張してしまうものがなくなるため、給湯器の凍結破損を防ぐことができます。
給湯器水抜きのやり方
- 給湯器への入水を止める(給水バルブを閉じる)
- お家の中のお湯側の蛇口を開ける(できれば給湯水抜き栓を含め全部)
- 給湯器の給水水抜き栓を開けて空気を入れる
基本的には上記の3つが出来ていれば問題ありません。給湯器の近くに給水バルブが付いていないお家があることも考えられるため、その場合は氷止めなども上手く使ってください。
たまに入水バルブだけを閉じて終わる人や、特定の箇所の蛇口だけ開けて終わる人がいますが、給湯配管に入っている水を抜くことが目的のため、理想は給湯器の水抜き栓を全部開放することです。
使用している機種ごとに水抜き栓の位置は異なりますが、それぞれ取扱説明書に詳しい図が掲載されているはずです。以下にリンナイの公式サイトに掲載されている詳しい水抜き手順について引用しておきます。
- 1.給湯側の水抜き
- (1)リモコンの運転スイッチを『切』にしてください。(電源プラグはまだ抜かないでください)
- (2)ガス栓「1」を閉めてください。
- (3)給水元栓「4」を閉めてください。
- (4)給湯栓「5」をすべて(シャワーなどを含む)開けてください。
- (5)給水水抜き栓「6」・給湯水抜き栓「7」・「8」を開けてください。
- 2.ふろ側の水抜き
- (1)ガス栓「1」が閉めてあることを確認してください。
- (2)給水元栓「4」が閉めてあることを確認してください。
- (3)浴槽の水を完全に排水してください。(浴槽の排水栓を抜いてください)
- (4)浴槽の水がすべて排水されたことを確認してから、浴室リモコンの運転スイッチを押して(『入』にする)ください。
- ※運転スイッチランプ(黄緑)が点灯し、表示画面が点灯します。
- (5)浴室リモコンのおいだきスイッチを押して(『入』にする)、浴槽の循環金具から水(お湯)が出てくることを確認してください。
- ※2階浴槽など、浴槽が機器より高い位置にある場合は、ふろ往水抜き栓を開けてから、浴室リモコンのおいだきスイッチを押して(『入』にする)、ふろ往水抜き栓より水(お湯)が出てくることを確認してください。
- (6)排水が止まったら再度おいだきスイッチを押して(『切』にする)おいだき運転を中止し、もう一度おいだきスイッチを押して(『入』にする)排水運転し、約1分間そのままにしておいてください。
- (7)排水の確認後、運転スイッチを押して(『切』にする)ください。
- ※排水運転のまま数分間放置すると表示画面に故障表示が点滅する場合がありますが、異常ではありません。
- (8)ふろ往水抜き栓「2」・ふろ戻水抜き栓「3」・ポンプ水抜き栓「9」・ふろ水抜き栓「11」を開けてください。
- (9)中和器水抜き「10」を開けてください。
- (10)電源プラグを抜いてください。(分電盤の専用スイッチを『切』にしてください)
一時的な水抜きの応急処置
「一晩だけ凍結対策できればいい」という場合は、蛇口を開けたままにして水流を作る凍結予防策がおすすめです。これなら水抜き栓の位置などを調べなくとも、蛇口を開けっ放しにすればいいだけなので誰でも簡単に凍結予防ができるでしょう。
流した水はそのまま捨ててしまうともったいないので、浴槽に落とし込んだ後に追い炊きをして再利用することをおすすめします。
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水抜きに関する注意事項
入水を止めただけで安心しない
給湯器への入水を止めただけで水抜きをしたという勘違いをしているユーザーが少なくありません。水抜き作業の際は、必ず「給湯器配管に空気を入れて水を抜く」という行為が必要です。
そのためには給湯機本体よりも位置の低い蛇口を開放するのが望ましいですが、お家のすべてのお湯側の蛇口を開放するという方法でも構いません。
水抜きをし忘れたことによる凍結破損は保証対象外
給湯器の水抜きをし忘れて凍結破損してしまった場合は保証対象外です。購入して間がない新品同様の状況でも、修理をするのにはお金がかかってしまいます。
貸家に住んでいるという方でも、凍結破損の場合は大家さんから請求されるケースが多いので注意してください。
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水抜き後は給湯器本体の電源プラグを抜くこと
水抜きが完了した給湯器本体はリモコンの電源だけでなく、コンセントプラグを抜くようにしてください。給湯器に入水がない以上、勝手に燃焼するということはありませんが、通電していると凍結予防が働いてしまう恐れがあります。